こんにちは、NET-GTASです

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Hello Everyone,

We are members of the NET-GTAS (Network of Translators for the Globalization of the Testimonies of Atomic Bomb Survivors) project. We are all either Japanese fluent in a foreign language or foreigners fluent in the Japanese language. We are doing our best to translate in as many languages as possible, and diffuse all over the world via the internet, the living testimonies of survivors of the atomic bomb tragedy that took place under the mushroom cloud in Hiroshima and Nagasaki some seventy years ago. We hope this project will reach out to you.(Representative of NET-GTAS, Kunihiko Nagatani)

みなさん、こんにちは。私たちは「被爆者証言の世界化ネットワーク(Network of Translators for the Globalization of the Testimonies of Atomic Bomb Survivors 略称NET-GTAS、ねっと・じーたす)」というグループです。

「はだしのゲン」は、広島の原爆で6歳の時に被爆し家族4人を亡くした中沢啓治さん(2012年、73歳で死去)が自分の体験をもとに描いた長編漫画です。第2次世界大戦末期の日本社会のゆがみから始まり、核爆発による熱線や放射能で死体の山が築かれた様子や、終戦後の貧困のどん底からはい上がる子供たちのたくましい姿、原爆症の恐怖にさいなまれ続ける被爆者の苦しみなどが生々しく描かれて、見る人の心を打ってきました。中沢さんがこの漫画を雑誌に連載を始めて以来40年余。これまでに21種類の言語に翻訳されたと言われます。

たくさんの被爆者のみなさんが体験記や証言ビデオなどを残してきています。でも、それらが日本語で書かれ、話されているだけだと、外国人はどこまで内容を理解できるでしょうか。「はだしのゲン」でも、主人公のゲン少年が被爆後、つるぴかの頭で登場します。英語圏の人は「bald head」とわかっても、急性の原爆症で脱毛が起きた、とすぐには読み取れません。漫画というビジュアルなメディアだけに、物語の展開をイメージしやすいはずです。それでもなお、「ことばの壁」のゆえに意味が伝わらず、見過ごされてしまうことが少なくないのです。

原爆の悲劇は過去の問題ではありません。「核兵器」は今度使われたら「死の灰」が地球全体を覆い、人類が死滅する、とされます。にもかかわらず、「核兵器を保有することこそ大国のシンボル」と政治家が公言するのは、被爆の実相が世界に伝わっていないことの証しだと言えます。

そこで、私たちは、「キノコ雲」の下で何が起きたのか、世界中に理解してもらえるよう、外国語をうまく操れる日本人や、日本語を知っている外国人に集まってもらい、被爆者の証言ビデオの字幕をいろいろな言語に翻訳し、インターネットを通じて広める取り組みをしています。

ネットワークの発足から間もなく1年。「言語を通して世界の平和を(PAX MUNDI PER LINGUAS)」を建学の精神とする京都外国語大学に拠点を置き、世界各地で約100人が活動を始めています。近く翻訳作品の公開が始まろうとしています。これを機に、京都外大のオフィシャル・ブログとして情報発信を始めました。

来年、2015年はヒロシマ、ナガサキの原爆投下から70周年。証言翻訳にとどまらず、多様な活動を展開中です。ご注目ください。(NET-GTAS代表 長谷邦彦)

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