被爆者証言の翻訳はこうして行われる(下)

被爆者証言の翻訳はこうして行われる(下)

How do we translate the subtitles of the A-bomb survivors’ testimony videos? From making up the teams of translation to completion of the subtitles multi-translated.

3月12日に引き続き、NET-GTASが国立平和祈念館の被爆者ビデオの字幕翻訳をどのように進めているのか、後半の作業フローをご紹介します。

(4)翻訳作業
ビデオ映像の音声は翻訳の際の重要な参考資料です。翻訳者は「平和情報ネットワーク」にアップされた映像を見て日本語字幕の裏にあるものを読み取りながら翻訳を進めます。翻訳者は、1本のビデオを1人で翻訳する場合もあれば、大学の授業で10人前後の学生が議論を交わしながら翻訳を実践する場合もあります。
疑問点があるときは、国立祈念館もしくはNET-GTAS事務局に問い合わせるなりして解決していきます。

(5)翻訳作品の監修
翻訳者は翻訳を終えたワークシート(エクセル表)を監修者に渡します。監修者は、原則として日本語を母語とする人と、翻訳先の言語を母語とするネイティブとの2人がペアを組みます。翻訳担当者がプロ級である場合は、監修者は1人でよい(ただし日本語母語話者とネイティブの組み合わせ)ことになっています。監修者は原典の日本語が正しく翻訳されているか、日本語版映像も参考にしながら、点検をします。

(6)字幕の校正
監修済みの「翻訳用ワークシート」をNET-GTAS経由で受け取った祈念館は、日本語版映像に翻訳字幕を貼り付ける編集作業をします。貼り付けがうまくなされているかどうか、担当チームの監修者が「字幕の校正」を行います。祈念館は、校正作業専用の字幕付き映像を用意するとともに、翻訳字幕と映像貼り付け字幕を並べた「校正作業用ワークシート」を監修者に送付。事務局をはさんで何回かのやりとりを経て、完全な字幕貼り付けを確認し合って、映像を完成させます。(長谷 邦彦)

翻訳字幕を映像に貼り付ける作業(国立祈念館で)
映像字幕をチェックするための校正用ワークシート
フランス語の翻訳字幕が付いた映像

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