西ドイツ放送(WDR)2016年5月27日夕ニュース
「歴史的な訪問 オバマが広島に」の概略日本語訳
オバマ米大統領が5月27日に広島を訪問した際、西ドイツ放送(WDR)は、ボン大学が被爆者証言ビデオを日本語からドイツ語に翻訳する授業に取り組んでいることと重ね合わせて、報道しました。
そのニュースの概要が日本語に翻訳されていますので、ここに掲載します。
ニュースのタイトルは「歴史的な訪問 オバマが広島に」。長さは2分45秒でした。
翻訳者は、ニュースに登場する田村直子先生です。
・・・・・以下、翻訳文
≪被爆者と抱擁するオバマ大統領の映像≫(レポーター)長い間日本人はこの瞬間を待っていました。被爆者とオバマ大統領が抱擁した瞬間です。オバマ大統領は謝罪の言葉は持ってきませんでしたが、未来への警告の鐘をならしました。
≪戦時中の映像≫(レポーター)1945年8月6日にアメリカ軍は広島に、3日後に長崎に原子爆弾を投下しました。その直後戦争は終結しました。
≪オバマ大統領の映像≫(レポーター)アメリカ人の半数以上が「原爆投下は必要だった」という意見の中、オバマ大統領の広島訪問決断は容易なものではありませんでした。それでも日本人は大統領の訪問を歓迎しています。
≪ボン大学H・マイヤー教授の映像≫(マイヤー教授)アメリカの大統領の訪問自体が日本人にとっては意義深いもので、謝罪の言葉はあればよかったけど、なくても日本人の受け入れ方に違いはないだろう。
≪学生との話し合いの風景≫(レポーター)ボン大学では研究者と学生が国際的なヒロシマ・プロジェクトに参加しています。被爆者の証言ビデオをドイツ語に翻訳しているのです。(ヒロシマ・プロジェクト・リーダー、田村直子講師)被爆者の方々はもう高齢で、それでこのビデオ証言というわけなのですが、もしこれらの証言が存在しなければ、あの時何が起こったのか誰もでき理解できなくなるわけです。
≪被爆者・天野文子さん証言映像≫(レポーター)国立広島・長崎原爆死没者追悼平和祈念館のホームページでは誰でも翻訳されたビデオ証言を見ることができます。たとえば天野文子さん、当時14才の証言です。[ボン大学でドイツ語に翻訳された証言の朗読]心をえぐるような証言です。
≪オバマ大統領の映像≫(レポーター)被爆者の方々の数人は今日オバマ大統領と個人的に言葉を交わすことができました。この歴史的な訪問を通してオバマ大統領は原子力爆弾のない世界へのビジョンを改めて強調しました。なによりも、アメリカ人がようやく日本で自分達の歴史から目をそらさないようになったのです。 [田村直子講師訳]
(長谷 邦彦 =代表)
コメントを書く