被爆者証言の翻訳ビデオをラジオとネットで紹介
NET-GTASは、京都市南部をエリアとするFMラジオ局「京都三条ラジオカフェ」で、私たちが多言語の翻訳字幕を付けた原爆被爆者の証言ビデオの紹介を始めました。番組の名前は「被爆者の証言を世界に!」。初回は10月3日(月)。以後、毎月第1、第3月曜の午後6時から6時半の30分番組。翻訳作品を各回1本ずつ紹介します。来年5月まで、全16回の予定です。コミュニティ放送という、ごく狭い地域向けのラジオ局がインターネットと組み合わせることで、世界に多言語の情報を発信する試みです。
被爆者の体験記や証言映像の大半は日本語で書かれたり、語られたりするだけで、外国人には理解が困難でした。NET-GTASはこの「ことばの壁」を乗り越えるために証言ビデオの字幕の多言語翻訳を進めています。翻訳作品は、広島と長崎の国立原爆死没者追悼平和祈念館合同のウェブサイト「平和情報ネットワーク」に掲載されていますが、海外はもちろん、国内でもあまり知られていません。NET-GTASは、被爆者の声をもっと広く世界中の皆さんに届けたいという思いから、このラジオ作戦を始めたのです。
ラジオだけだと日本語の音声のみですが、ラジオ局のホームページは「平和情報ネットワーク」のサイトや、NET-GTASのブログとリンクしており、視聴者は証言ビデオの映像を、好みの翻訳言語の字幕つきで、見たい時に見ることができます。また、ラジオで放送した番組の音声はポッドキャスティングという技術で、いつでも再生可能です。
ラジオ番組の収録・編集は同大学の学生放送局が協力します。
この取り組みは、地域のミニ・ラジオ局がラジオとインターネットをつないで国際的な課題に多言語で取り組むものとして注目され、高橋信三記念放送文化振興基金(山本雅弘・運営委員長)から助成金を受けています。
「被爆者の証言を世界に!」の番組コーナーには、NET-GTASがこれまでに翻訳した作品一覧へのリンクが貼られており、被爆者のお名前と翻訳言語をクリックすると、該当の映像を見ることができます。
また、「平和情報ネットワーク」にアクセスすれば、国立平和祈念館所蔵の証言ビデオを視聴できます。
(長谷 邦彦=代表)
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