カナダで、ICANのレイ・アチェソンさんのお話を聴いた

カナダで、ICANのレイ・アチェソンさんのお話を聴いた
講演会場に映し出されたレイ・アチェソンさんの写真

カナダで、ICANのレイ・アチェソンさんのお話を聴いた

I am Yukiko Kawase, an exchange student in Canada from Kyoto University of Foreign Studies. I attended the lecture by Ray Acheson who is a core member of ICAN which won a Nobel Prize in 2017. 

こんにちは。現在、派遣留学制度を使いカナダに留学している川瀬由希子です。京都外国語大学の学生サポーターです。
先日、本学で行われた「なぜヒバクシャを語り継ぐのか〜ノーベル平和賞ICANを支えたキャサリン・サリバンさんとの対話〜」の講演会、ワークショップに参加出来ず残念に思っていたところ、私の留学先大学にICANのメンバーであるレイ・アチェソンさんが講演に来られました。
アチェソンさんは、世界で最も古い女性の平和運動団体、婦人国際平和自由連盟の軍縮プログラムの理事であり、ICANの活動家でもあります。

講演会場に映し出されたレイ・アチェソンさんの写真
講演会場に映し出されたレイ・アチェソンさんの写真

講演会では、レイさん自身の活動、ICANではどのような活動をされているのか、そして質疑応答の時間がありました。今回は、その中でも特に印象に残り、ぜひ共有させていただきたい二つのことについて書きます。
一つ目に印象的だったのは、「核」についての認知度です。今回の講演会の会場にいたのは、政治学のクラスを取っている生徒が大多数でした。普段の政治学のクラスではディスカッションの場がたくさんあり、生徒からは途切れることなく様々な意見や質問が交わされます。ですが、レイさんが講演会の冒頭に核兵器を保有する9カ国を問いかけた際、彼らからスムーズに答えが出てきませんでした。
日本で日常会話の中に核兵器の話題が出ることはまずないですが、実はカナダでも「Peace and Conflict(平和と紛争)」という授業でさえ核兵器の話題について触れるのはごく稀だそうです。もしかしたら、カナダは日本よりも核兵器について考える機会がないのではと思ってしまいました。
二つ目に印象的だったのは、私たちが日常的に行っている選択についてです。
例えば日本の大手銀行の仕組みを見てみると、私たちが銀行にただお金を預けているだけだと思っていても、そのお金は銃器を製造する会社の資金として投資されているということが現実にあります。銀行だけでなく、普段日常的に何気なく行っている選択は自分の思惑とは違い、知らないうちに誰かを傷つける行為に加担することになっているかもしれません。それらの何気ない選択は、積み重なれば大きい影響があります。私たち国民一人一人は弱くなく、良くも悪くも大きい影響力と責任があると再確認しました。
レイさんは講演会の最後に、「世界から核兵器をなくすことは不可能に思えるかもしれない。けれど、熱い気持ちを持って活動すれば不可能を可能にすることができる」というメッセージを残してくださいました。また、「ICANのノーベル平和賞受賞は世界から核兵器をなくすための小さな小さな一歩」という言葉には、私には考えられないスケールの大きさを感じました。私もレイさんのように、核兵器廃絶に向けて熱い気持ちを持ち続け、今の私ができる行動をおこしていこうと気合いが入りました。
(川瀬 由希子 =京都外国語大学国際教養学科3年)

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